ビッグスペルメイジガイド
0.はじめに
なぜビッグスペルメイジのガイドを書くことになったかは、前記事を参照ください。
ランク5風情のガイドなんて見てもしょうがねえだろって思われたとしたらすみません。
あと、前もって言っておきますが、長くなります。とてつもなく。
1.ビッグスペルメイジとは
そもそもビッグスペルメイジとは一体どういうアーキタイプのデッキを指すのでしょうか。まあデッキタイトルですぐわかると思いますけども。
基本はコントロールメイジの流れを汲み、AoEにより盤面をクリアしつつアイスブロックで耐え、相手のリソースを枯らした後、アレクストラーザやガーディアン・メディヴなどの高コストかつ強力なフィニッシャーによりゲームエンドを狙うデッキです。
特にビッグスペルメイジと呼ばれるデッキは、「コボルトと秘宝の迷宮」拡張パックで追加された、4つの新規カードによって提案されたデッキタイプとなります。
デッキに採用する呪文を、コスト5以上の重たいカードに絞り、ワタリガラスの使い魔やドラゴンの憤怒のバリューを高め、フィニッシャーとして新たにドラゴンコーラー・アランナを採用したコントロールメイジです。
具体的にリストの方を見ていきましょう。
こちらが、私がランク5を達成するまでメインで使っていたデッキになります。
リストの基本は、HotMEOWTH氏のものを参考にしました。(参考リスト↓)
S46 #20 Legend HotMEOWTH's Control Mage | BeerBrick Hearthstone
こちらのリストのうち、ドブネズミ1枚、タール・クリーパー2枚、アレクストラーザを、魔法学者2枚、アイスブロック2枚に変更しました。
ラザカスプリやコンボドラプリ(最近見かけませんが)、そしてキューブロックのOTKコンボを重く見たゆえの変更となります。
では、デッキの解説に移りたいのですが、やや特殊な構築になるため、カード1種類ずつの採用理由なども詳しく見ていきたいと思います。
2.カード解説
- 魔力加工師×2
アイスブロックが割られるのを遅めたり、逆にアイスブロックが割られてしまったあとの回復に使うカードです。基本的には2枚同時に使いたいです。
ワールドチャンピオンシップでのFrOzen選手のトップ魔力加工師が印象深いのではないでしょうか?
重たい呪文ばかりを採用している都合上、どんな劣勢からでも一気にライフを回復することが可能です。
たとえば、魔力加工師2枚からブリザードを使うと、8マナ2点凍結AoEで上級回復ポーションまで使っているのと同じになります。プリーストの上級回復ポーションからの粘りは誰しも経験したことがあるでしょうから、12点の大きさは想像に難くないと思います。
またそれ以外にも、手札から急に打点が出にくい、または出す手段が限られているデッキに対しては、アイスブロックを極力割らせないために、細かく回復していくことも考えられます。
基本的にアイスブロックはできれば長く保たせておいたほうが有利に働きます。アイスブロックが発動したターンは相手の打点がどれだけあろうが無効にできますからね。
- 魔法学者×2
アイスブロックを早く引くための採用です。
アイスブロックは強力ですが、ビッグスペルメイジというデッキの特性上、軽い呪文が入っているとコスト参照系のカードを使用する際ノイズになるので、早く引きたいわけです。
また、デッキを早めに圧縮することにより、以降のドローのバリューを高めることにもつながります。
というか2/2/3サーチの時点でOPなんですよねこれ…
- ドブネズミ×1
こちらがコントロールデッキである都合上、一番の脅威はやはりOTKコンボです。
特に現在使用率トップのラザカスプリを始めとして、コンボパーツをこれによって釣り出せればEasy Winを狙えるデッキは現環境とても多いです。
縛鎖のラザや預言者ヴェレン、肉食キューブやヴォイドロードあたりを釣り出せると、一気に相手の計算が狂うことでしょう。
他にも、テンポローグやzooなどのケレセス公爵とボーンメア、翡翠ドルイドのファンドラル・スタッグヘルムや翡翠を生むミニオンなどが狙い目ですね。
基本的なことですが、使用する際の注意点を挙げておきます。
- アグロに対して使用する際は、そのターン中もしくは次ターンにAoEが使えるタイミングで使う
- 高スタッツミニオンが出てきそうな場合は、メテオや動物変身が使える状況で使う
- 特にビッグプリやコントロールウォーロックに対しては、動物変身とセットで使う(再利用させないため)
- 終末予言者×2
アグロに対して、AoEが使えるマナが溜まるまでの時間稼ぎとしてが主な用途になりますが、たまにキューブロックなどの後半にも刺さったりします。
このカードの使い方はとても難しいので、あまり上手く使えている自信はありませんが、アグロとのマッチではこれを握っていないときついです。
最近はスペルブレイカーの採用率がどのデッキでも高いので、スペルブレイカーを見たあとか、スペルブレイカーが出せる前に出してしまいましょう。
一応沈黙されても、ドラゴンの憤怒で6点が出れば、DKジェイナのヒロパの種になるかもしれません。
- ワタリガラスの使い魔×2
このデッキにとってとても重要な大型呪文をサーチできるカードです。
テンポローグ筆頭のアグロデッキに対しては、基本的にこちらの呪文のほうがコストが高いためサーチ可能ですが、性悪な召喚師を採用した各デッキは、高コスト呪文のみを採用しているため、サーチできない可能性が高くなります。
他にも、プリーストの心霊絶叫やダイヤモンドの小呪文石、ドルイドの究極の侵食、拡がりゆく虫害などがサーチを阻んできます。過信は禁物。
このカードはできれば魔法学者によってアイスブロックを引ききってから使いたいですね。
- 苦痛の侍祭×2
このデッキのドローを一身に背負うカードです。
もともとメイジのヒロパとの相性の良さからコントロールメイジにはよく組み込まれていましたから、使い勝手の良さはご存知かと思います。
密言・痛などによって確定除去されるとドローできないので、ヒロパと同時に使うか、ドラゴンの憤怒と同時に使いましょう。
上の2種類のサーチカードを使い切ったあとでこれを使えると、ドローの質が跳ね上がります。
- アイスブロック×2
メイジどころか、秘策全体の代表とも言えるカード。
魔法学者によりサーチが可能なため、多少デッキの呪文にノイズが混じろうとも採用しています。
これ自体の説明は不要でしょうが、このデッキはいかにこれをきちんと確保できるかが明暗を分けます。
タール・クリーパーなどの顔を守れるカードを採用していないので、防御はこれに頼ることになります。
アイスブロックは一度貼ると長い間残り続けることを利用して、メディヴの従者を採用したビッグスペルメイジもいますが、私は採用していません。
アイスブロックか魔法学者どちらかがハンドに来ることは多くても、メディヴの従者と合わせて2種類が揃うことはあまりないからですね。
秘策に寄せた型も面白そうではありますが、コスト参照系カードの扱いが難しくなりそうなので、私はやりません。
- 動物変身×2
コントロールデッキとのマッチアップ、特にコントロールウォーロックに対しての切り札となります。
変身したミニオンは死亡した扱いではないので、悪魔はDKグルダンで復活しませんし、ビッグプリの復活にもノイズを混ぜることができます。
またDKジェイナとの相性も良く、どんなデッキに対してもこのカードが腐ることはありません。
アイスブロックと違いサーチカードがありませんが、デッキにノイズが混ざるデメリットなど気にならないほど採用した際のメリットが大きいため、どのビッグスペルメイジにも基本的に採用されています。
- 魔力の暴帝×2
こちらは動物変身とは逆に、採用率が下がってきているカードです。
私は、DKジェイナとの相性の良さ、早いターンでもドラゴンの憤怒のあと空になった盤面に置ける点などを考慮し、採用しています。
エレメンタルであるという採用理由だけを見ると、タール・クリーパーに差し替えても良いかもしれません。
一応こちらの方が、プリーストに対しては有利に立ち回れます。
- ドラゴンの憤怒×2
非常に火力の高いAoEです。最低値の5マナ3点AoEとなった場合、地獄の炎にやや劣りますが、基本的に4点以上を狙えるため、マナ効率がとても高いです。
使用する際はデッキに残っている呪文を把握していないといけないため、メモをとるかデッキトラッカーを使ってください。
- メテオ×2
はじめに自力でビッグスペルメイジを制作しようと思っていたときは、これよりもフレイムストライクを優先していたので、強豪プレイヤーたちのリストを見て疑問に思いましたが、最近は大量にミニオンを並べるデッキがあまり多くないのが理由でしょうね。
それにこぼれ球3点もアグロデッキの主なミニオンには十分なダメージですし。
フレイムストライクを使いたいような、相手の場に3体以上並んでいる状況をまず作らないということのほうが重要そうです。
- ブリザード×2
- フレイムストライク×1
特に説明の必要なさそうな、メイジの強力なAoE。
- 待ち伏せのガイスト×1
現環境において、コントロールデッキならば入れ得だと思っています。
翡翠の偶像を消しされるのはもちろん、ラザカスの1マナ呪文を消せれば太陽の砕片ライラやガジェッツァンの競売人のトリガーを少なくできますし、DK変身後のバーストも減ります。
他にも、キューブロックの暗黒の契約、zooの魂の炎、テンポローグの冷血(最近あまり見ない)など、刺さる対象は多いです。
- 炎の大地のポータル×2
これの強さはなんて説明すればいいかよくわかりませんが、とにかく強いですね。
このデッキは基本的に相手の顔を詰める手段が少ないので、運悪くビッグプリやミルローグなどと当たった際には、さっさとこのカードを引けることを祈りましょう…
- ガーディアン・メディヴ
カラザン以降の各種コントロールデッキの伝統的なフィニッシャー。切り札その1。
特にこのデッキにとっては、重たい呪文を数多く採用していることもあり、相性の良いカードです。
また本体の7/7も相手からすれば放置しづらく、これと終末予言者を同時に出して相手に不利な選択を迫るというシーンもままありました。
我が家のメディヴはデッキ底で仕事をサボっていることが多いです。
- 凍血の魔王妃ジェイナ
ほぼ無限のリソースを持つ最強のコントロールカード。切り札その2。
コインを使ってでもさっさと変身したほうがいい場面が多いです。ヒロパでウォーター・エレメンタルを出せそうな機会は多ければ多いほどいいですからね。ヘルス1のミニオンを残すか処理するかなんかで悩みたくないというのもありますが。
しかし、コントロールデッキとのマッチアップならともかく、アグロデッキとのマッチはそうにも行かない場合が多いので、その場合はアイスブロックを盾にして強引に変身してもいいでしょう。
2枚目のアイスブロックや魔力加工師など、アイスブロックを割られたあとのケアも忘れずに。
ついこれのために魔力の暴帝を残そうと思ってしまいそうになりますが、出すことによって盤面を取れるのならば躊躇せず出してください。
- ドラゴンコーラー・アランナ
このデッキが能動的に顔を詰めに行く最大の手段。切り札その3。
ドルイドなどAoEに乏しく確定除去もないようなクラス相手だと適当に放り投げてもいいですが、ウォーロックやプリースト相手ならば、当然いろんなものを警戒しましょう。
ファティーグにもつれ込むような展開でなければ、基本的にこのデッキの勝ち筋はメディヴやポータル、DKを駆使して盤面を取り返して殴るかこのカードを出すかしかありません。
逆説的に、例えばラザカスと対戦する場合、DKアンドゥインはともかく心霊絶叫を切らせるために、盤面に数体並べる必要があります。
その手段を持つことを前提に、ゲームメイキングを考えましょう。
我が家のアランナは、メディヴと違ってがんばりやさんです。
3.ゲームメイキング
さて、カード1枚1枚は見ていきましたが、デッキ全体としてはどう戦っていくのか?それを考えていきましょう。
1.マリガン
どんなデッキと対戦する際にもマリガンの基本は変わりません。
- 残す/探すカード:魔法学者、アイスブロック、ワタリガラスの使い魔、苦痛の侍祭、凍血の魔王妃ジェイナ
カード解説を読んでいただいた皆様からすれば当然かもしれませんが、サーチカードとドローソースを残しましょう。
DKジェイナはできれば9ターン目、マナカーブ通りに出したいので、キープします。
加えて対アグロ時には終末予言者、ドルイドに対しては待ち伏せのガイストなど、テックカード類はキープしてもかまわないでしょう。
2.序盤
魔法学者とワタリガラスの使い魔によるサーチ、苦痛の侍祭によるドロー、終末予言者による時間稼ぎを行い、手札を肥やします。
使用する順番はカード解説で述べた通り、
魔法学者→ワタリガラス→苦痛の侍祭(ヒロパと併用)
でいきましょう。
アグロに対し終末予言者を使う場合は、スペルブレイカーの存在を考えると2ターン目が望ましいですが、魔法学者が手札にあるならそちらを先に出しましょう。
普通にアイスブロックをドローしてしまうといろいろ追いつかなくなる可能性が高まります。
3.中盤
引いてきたAoEによって盤面をクリアしながら、頑張って顔を守ります。
また、アイスブロックを適宜いい具合のタイミングで貼りましょう。
コントロールとのマッチの場合は急がなくてもかまわないのでマナが余ったときに。
アグロとのマッチの場合は、魔法学者→終末予言者→アイスブロックの流れが一番好ましいです。
相手の盤面を処理しないターンが挟まると、たとえアイスブロックがあったとしても耐えきれない事が多いです。
4.終盤
切り札3枚を駆使して顔を詰める、もしくは相手のリソースが尽きるまで粘ります。
意識しないといけないのが、切り札3枚のコストです。
3枚とも使ってしまえばそのターン中は他のことが全くできなくなるため、かなり状況を意識する必要があります。DKジェイナはマナカーブ通りに出したいというのはそのためです。
アイスブロックがあるからといって、割られたあとに顔を守る手段が無ければ、無理やり出したところで負けることに変わりはありません。
盤面を整理して安全な状況を作ったほうがいいのか、それとも無理して勝負に出る場面なのか。そのへんは試合数を積み重ねた経験と、リスク管理の駆け引きです。
デッキを使い尽くすほどに試合が長引くと集中力的にも体力的にも厳しいですが、このデッキは粘りきれるポテンシャルがあります。最後の最後まで諦めないように!
諦めなければなんとかなる!
5.具体的なマリガン
各マッチアップごとのマリガンをさらっと紹介します。
共通して残すカードなどは前項参照。ここではデッキごとに特筆して残すカードを挙げます。
6.さいごに
いやー、今回もめっちゃ長くなってしまいました。ここまで読んでいただいてありがとうございます。
ビッグスペルメイジは、コントロールミラー特にラザカスやキューブ、翡翠(ガイストが引ければ)に対し有利が取れる変なデッキなので、ぜひ使ってみてください。
キューブだと思ったらzooに轢き殺されることも稀によくあるけど気にせずバンバン回しましょう!
ではまたいつか。